宝玉

 

 

きっと、

大切なものを一つずつ大切にしてきてしまったから、

一つ一つ同じ価値の、持ち運ぶこともできない宝玉を綺麗に大切に何個も愛してしまっているから、

なにもひとつに選べなくて、

最終的に行き着く先は、ただ自分がこの宝玉の前、此処に在ればいいだろうと。

 

 

 

そうして誰のものにもならず、

自分も宝玉の一つにしてしまい、

孤独になっていくのだと思う。

 

 

そうして孤独な私を包み込んでくれる、私の大切なもの達がいて、

 

また私は誰からも離れられず

 

孤独になるのだと思う。

 

でも、これを好き好んでやっているから。

好き好んで大切なものを一つ一つ大切にしてきてしまってるから、きっといい。

 

 

そういえば、この間見たドラマで

「孤独はすばらしいが、
 孤独はすばらしいと
 言ってくれる人が必要だ」

 オノレ・ド・バルザック

 

と言う文章があった。

私は、私に孤独は素晴らしいと言ってあげるしか他ない。

 

 

 

私の愛する人たちへ。

私は孤独であるが、それはあなたたちを愛しているからで、

私が孤独でなくなった時、

それは自分の分身かのように美しい、自分よりも愛するものが産まれた時であるだろうと思うから、

その時は、宝玉から解き放たれ、それと一緒に大切な宝玉を眺めながら、これが大切なものだと教えるのだと思う。