多分の話
緊張?
あんまりしないかな。
死ぬわけでもないしね。
これが今までの自分。多分。
こんなに緊張するとは思わなかった。
7月13日午後18時13分
第一志望企業の最終面接日前日。
受験も発表会もオーディションも千人の前で発表する機会にも好きな人の前でもどんな勝負事にも正直あまり緊張して来なかった私が、緊張している。多分。
自分なりに納得できるところに内定も持っているし、社会人になれればいいかと思って就職活動をしてきたのに。死ぬわけでもないのに?
なぜこんなに緊張するのか。
いつも答えは知っている私だが、わからない。
経験がないから。
でも、少し知ってる。
多分競う相手が、他でもなく自分だからだ。
ここまできたら、実力も、運も、神様も、関係ないからだ。多分。
見る目には自信がある、自分の好きな人は私の事も好きで、選んだ友達は間違いなく素晴らしく素敵な人だ。それに関して一度も失敗がなかった。
自分の見る目はいつも正しかった。
今回は、自分の人生の中盤を捧げる会社選びをしている。これも多分の話。途中で辞めるかもしれないし。神経をきちんと張り巡らせて選んだし、自分はここで働きたいと思った。
それに、合否が出るのだ。明日の面接で。
後悔しないくらいやる事はやった。
だから後悔という選択肢も失くした。
他の落とされた企業は、まあ、そんなに知らないし、心から入りたいという気持ちがなかったと言い訳ができるが。
言い訳も失くした。
多分。
ただ、落ちたら、相手に見る目がなかったと同時に、自分の見る目も無かったということ。
なんて恥だ。
これ程までに社会を舐めていたのかと自分を蔑むだろう。
多分。
きっとその勝負が明日決まる。
だから緊張しているのだろう。 多分。
今回は滅多に緊張しない私のリアルタイムな心情を残しておきたくて急いで綴った。
きっと言葉にしないだけで、皆もそうだろう。
多分。